弱みを補うよりも強みを伸ばして輝かせたい。

「その子連携」の目的

障害のある人たちの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進するためには、子どもの頃から共に育ち合う経験が大切です。

そのためには、

  1. 保育所・幼稚園・学校等においては障害のある子どもの受入れを促進していくこと
  2. 児童発達支援施設等に通っていた子どもが円滑に保育所等に通えるようにすること

を今以上に促進していくことが必要となります。

「その子連携」の最大の目的は、
「その子連携」を通して、保護者と幼稚園・保育園・学校と児童発達支援施設(あびらぼ)の距離が縮まり、子どもの成長・発達を共に喜び合えるようになることで、最終的には子どもが安心・安全に過ごせる環境になり、保育や教育・療育(学校教育・地域教育・家庭教育)の効果を最大限に引き出すことにつながることです。

対象となる子どもを集団生活に合わせるという視点だけではなく、子どもの特性等に集団生活の環境や活動の手順等を合わせていくことも大切です。

なぜ「その子連携」が必要?

子どもを育てる存在として、残念ながら私たち大人は誰もが完璧ではありません。子どもを取り巻く全ての大人がそれぞれの役割を果たし、専門性を発揮し、不足を補完しあいながら、大切に地域の宝物を育てていくことが、社会を作るために最も重要なことの一つだと私たちは考えています。

1. 教育と福祉との連携にかかる主な課題

保育所・幼稚園・学校と児童発達支援事業所等において、お互いの活動内容や課題、担当者の連絡先などが共有されていないため、円滑なコ ミュニケーションが図れておらず連携できていない。

2. 保護者支援にかかる主な課題

乳幼児期、学齢期から社会参加に至るまで の各段階で、必要となる相談窓口が分散しており、保護者は、どこにどのような相談機関があるのかが分かりにくく、必要な支援を十分に受けられない。

  1. 発達上の課題が保育所等の集団場面で気づかれることが多いこと(家庭や個別対応では問題が見えにくく、通所支援に至らないことも多いこと)
  2. 通所支援で身につけたことが保育所等の集団場面に般化しにくく、不適応を起こすことも少なくないこと(保育所等での集団適応のための別の支援が必要であること)
  3. 通所支援を終え保育所等へ移行した後のフォローアップが不十分であること(フォローアップが制度上確保されていないこと)
  4. 障害特性の個別性からくる支援の困難さが保育所等の職員を疲弊させる一方で保護者が保育所等に対してもどかしさを感じ、結果として保育所等と保護者の間にあつれきが生じてしまうことも少なくないこと

「その子連携」の方法

1. 子どもへの直接支援

保育園や幼稚園、学校で、集団活動に加わって支援する。

2. 保育士等への間接支援

  • 保育士・先生等に普段どのように子どもを見て、考え、どうかかわっているのか、困っていることはないかなどを丁寧にアセスメントする。
  • 子どもとの関わりで良かった点をしっかり伝え、その上で、訪問支援員が子どもに対してどのような意図を持って直接支援をしたのか、今後子どもと関わる上でのポイントを伝える。
  • スタッフへの指導というよりも、訪問支援員がいない場面でどのように子どもを見るのか、その上で子どもにとって最善の環境設定や関わり方はどのようにしたら良いのかをスタッフ自身や訪問先機関が自律的に考えていけるよう協働支援、後方支援の立場で関わることも。

3. 保護者への情報共有

保護者に対して、訪問支援の内容に加え、訪問先での子どもの姿及び周りの子どもやスタッフの関わりの様子を丁寧に伝えることが必要。報告は、その日のうちに電話やメールで行う場合もあれば、まとめて複数回分を伝える場合もあります。いずれにおいても、保護者のニーズやタイプに応じて、積極的にかつ柔軟に行われることが必要です。

「その子連携」の流れ

あびらぼの教育「5つの取り組み」

株式会社 花